【第3回目】人材(継承者)育成の大切さ

 


右腕が育たないのではなくて、『育てていない』現実



『右腕・左腕を育てたい。』
これもよく耳にしますね。
 多くの中小企業で経営幹部が育っていません。それはなぜでしょうか?
その理由は、経営者がその大切さを真に理解していないからです。 つまり経営者が、『次世代の幹部を育てることが経営の中核的課題』 であり、かつ 『自らの重要なテーマ』 であると自覚していないからです。
 ですから、右腕・左腕がいないのは、育っていないのではなく、育てていないのです。100%経営者の責任に帰する問題です。

Q. なかなか手厳しいご意見ですが。人材育成に悩まれている経営者は多いですね。

 少し考えてみてください。
右腕・左腕を育てるためには、どのようにすればいいのでしょうか?
何か特別な研修に出させるのでしょうか?
もちろんそれも必要かもしれませんが、基本は経営計画を立てさせ、課題を分担させることにあります。
経営幹部は、経営管理者の課題に取り組ませることを通じてしか、育成することはできません。そして経営計画の実行への取り組みを通じて、必要なスキルや考え方を植えつけていきます。

商売人や職人と同じですね。頭でなく体で覚えて叩き込む。
そのテーマは次の7つです。

   1.専門知識(仕事力)
   2.論理思考
   3.コミュニケーション力(コーチングとファシリテーションスキル)人間力
   4.リーダーシップ(人間力)
   5.数字力(経営力)
   6.マネジメント力(経営計画と時間管理)(経営力)
   7.ものの見方・考え方

 いかがでしょうか?
これらのテーマを経営計画の実行の中でOJTとして教えていくのです。
私は多くの会社の経営者・幹部とのかかわりあいの中で、これらの考えや教え方をまとめ、実践してきました。
そしてそれらは事務所のノウハウとしてメンバーで共有されています。経営計画作りと実行管理へのお手伝いを通じて、それをお客様の組織の考え方として定着させていただけるものと確信しています。


-人材(継承者)育成をテーマにした小笠原氏のセミナー・研修-

『なにわあきんど塾』  akindo_tit.gif産創館
『中小企業経営幹部向けリーダーシップ研修』  小笠原/河原会計事務所公式サイト


(編集部コメント)
確かに、経営のいろはは知識だけで体得できるものではないというのがひしひしと伝わってきます。それでも、OJTをより効果的に進めていくためには、幹部候補者・継承者ご本人がどれだけ前向きに取り組めるかですね。
そんな方々を対象にした勉強会を、小笠原先生は率先して実施されています。これは、小笠原先生の想いと、小笠原/河原事務所の姿勢の表れでもありますね。
育った人材が、次世代の担い手として一歩を踏み出す-。次回は、事業継承のポイントをテーマにしたコラムです。

次回、『事業継承に備えてのポイント』は、6/8(月)更新予定です。



§筆者紹介§

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小笠原士郎氏
税理士 小笠原/河原会計
事務所代表

昭和27年大阪市生まれ
昭和51年大阪大学経済学部卒業
㈱クボタ勤務を経て、平成3年税理士事務所開業。
現在、財務管理をバックボーンに事業戦略・経営計画策定、経営計画推進体制の整備を中心に幅広く活躍中。
大阪商工会議所、SMBCなどメガバンク各社のセミナー講師を務め、分かりやすい解説が好評。
大阪産業創造館「なにわあきんど塾」講師


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